日本の劇団クセックACTは『ヌマンシア』を再評価し、アルマグロで上演
日本の劇団が、現代的なテーマを持ちながら上演回数が少ない作品の1つ『ヌマンシア』を西洋で上演する場にアルマグロを選ぶ
10人の俳優が「愛する人のために死ぬ」ことを巡って、過酷な物語に息吹を吹き込む

 アルマグロ国際古典演劇祭が掲げる目標の1つ「セルバンテスの舞台」というプログラムとして、日本の劇団クセックACTが『ヌマンシア』を上演する。


 昨年の9月、マドリードのアバディーア劇場で、劇団クセックACTの翻訳・脚本担当の田尻陽一氏とアルマグロ国際古典演劇祭の委員長エミリオ・エルナンデス氏とが会い、『ラ・セレスティーナ』にするかどうか検討した結果、『ヌマンシア』を上演する選択肢を取った。

 まず、10人の役者で50近い登場人物を演じる障害を克服しなければいけなかった。当然ながら、1人の俳優が何役も引き受けなければいけないが、統制された舞台上の一貫性によって、観客は容易にこの芝居を理解することができた。

 「あまり上演されない作品だが、『ヌマンシア』は現代的なテーマを持っている」と田尻氏は語った。エルナンデス氏も「この作品をバロックの作品としてみる必要はない」と付け加えた。

 すべてがグローバルに紛糾する現代世界において、特に戦争、なかでもイラク戦争で明らかなように、祖国の防衛と名誉という視点が平行して取り上げられる。しかし、昔の愛国心で『ヌマンシア』を解釈せず、「死以外に選択肢のない人間の悲劇として上演する」と田尻氏は語った。さらに、「人間は、いつまで愛する人と一緒に死ななければいけない悲劇を繰り返すのだろう?」と問いかけた。
劇団クセックACTの『ヌマンシア』は昨夜、日本大使が臨席のもと幕を開け、今夜も10時45分、市立劇場で上演される。

カルメン・オブレゴン記者