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劇団クセックACTが最後に選んだ作品
​セルバンテスへのオマージュ

狂気を演じ続けて

​ドン・キホーテ

劇団クセックACT2025 名古屋公演

ミゲル・デ・セルバンテス 原作

田尻陽一  翻訳・構成・脚本 

神宮寺 啓 構成・演出・舞台美術

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完全日時予約制

52日(金) 午後7時

53日(土) 午後2時 / 午後6時

54日(日) 午後2時

55日(月) 午後2時

受付開始、整理券配布は開演の1時間前

開場は開演30分前

※満員の際は入場をお断りすることもございます。

各回上演終了後

田尻陽一 (翻訳) VS 神宮寺 啓 (演出)

『ドン・キホーテと狂気』と題して

毎回アフタートークを開催

愛知県芸術劇場小ホール

愛知県芸術文化センターB1​

前売/一般 3,000円 学生 2,000円​

当日/一般 4,000円 学生 3,000円

(中高生含む)

| キャスト

榊原忠美

加藤由以子

大西おに  

斉藤弥生

吉田憲司

清水絵里子

鈴村一也

​吉川統貴

平井智子

山田吉輝

川瀬結貴

安部火隕

大崎勇人

永野昌也

今枝千恵子

| スタッフ

舞台監督: 鈴木寛史

照明:花植厚美

舞台写真:大脇 崇

音響:田中 徹

衣装:まさきよしこ

記録:ミックスプロ

映像制作:伊藤貢 大塚千紘 小林裕揮 上島し乃 大石雅紀

宣伝美術:小島久弥

制作:劇団クセックACT

| 後援

スペイン大使館

​愛知県

名古屋市

インスティトゥト・セルバンテス東京

​愛知県教育委員会

名古屋スペイン協会

| 協力

啓光社ホールディングス(株)

(株)バモスクルー

鬼頭印刷(株)

(株)アースウイングミュージック

PAP・でらしね

サポート・プラス

B Stage

(有)おうむ

作者紹介

ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ(1547-1616)は、小説『ドン・キホーテ」の著者として知られているスペインの作家。スペイン語における世界的な文学者のひとりであり、同時代や後世の作家に多大な影響を与えた。

作品について

『ドン・キホーテ」前編の小説構造は実に「雑」である。ドン・キホーテとサンチョ・パンサの冒険譚以外に、羊飼いの娘マルセーラに振られたグリソストモの失恋物語、突如として語り始められる「愚かなもの好きの話」、フェルナンドのドロテアへの恋の誑かし、幼いルシンダとカルデニオの純愛、「捕虜の身の上話」、ルイスとクララの拙い恋物語、レアンドロがビセンテに騙される結婚詐欺など、種々雑多な話が詰め込まれている。後編を書くにあたりセルバンテスはこういった挿話を省き、ドン・キホーテとサンチョの二人を主人公にして物話を展開しているが、前編のドン・キホーテと後編のドン・キホーテとでは違う人物のように思える。ズバリ言えば、後編は読者から期待されるドン・キホーテを主人公に据え、人から狂っているといわれる頭脳で、彼の騎士道論(正義とは何か、何をもって正義というか)、歴史論(歴史とは物語なのか事実なのか)など、明晰な思索を語りたいだけ語らせている。

もしかしたら、それは、主人公に同化した作者セルバンテス自身の考えなのかもしれない。そういう点からみれば、セルバンテスは自分が期待していないドン・キホーテを前編で無責任に書き始めたので、荒唐無稽な冒険譚が存分に書けたのかもしれない。ただ『前編』「後編」とも首尾一貫しているのは、ドン・キホーテの「狂気」である。

そして、この本を読み進めていくうちに、「あの人はおかしい、狂っている」という人は「おかしくないのか、狂っていないのか」、その人こそ「おかしいのではないか、狂っているのではないか」と思わせる。さて、あなたはどちらだろう?

ついにその日がやってきました。

劇団クセックACTの解散であり

ファイナル公演です。

劇団員がさほどいる訳ではありませんから、決して仲間割れによる解散ではありません。ともかく、皆さんの声援を背に、設立から45年と言う年月を劇団が駆け抜けてきた歴史は重いものだと感じています。

 

代表で演出家の神宮寺啓が、いみじくもつぶやいた一言「今度、何やろうか」……!?

 

この言葉が引き金となり劇団の解散を決めました。もしかして、やめるやめると言ってやめない“クセックの解散詐欺じゃないの!?”とも囁かれていますが、残念無念!どうやら詐欺ではなく、こうしてお伝えする最後の時間というわけです。

 

解散に至る経緯ですが、これまでガルシア・ロルカやセルバンテスなど、スペインの作家を中心に公演を重ねてここに至たり、我々がやりたい、やろうとした作品は全てやってきたと言う思いに達したのです。そんな思いから神宮寺は、「今度、何やろうか……!?」と、呟いたのでしょう。

 

解散公演は我々の血肉となっているセルバンテスの『ドン・キホーテ ・・・狂気を演じ続けて・・・』です。 この作品は、2001年の「第一回愛知県芸術劇場演劇フェスティバル」、2005年「愛知万博スペインパビリオン主催」での公演。2017年は「セルバンテス没後400周年記念」の一環として上演。そして今回が4度目の舞台となる正真正銘“嘘偽りのない解散公演”。つまり、我々にとっては全てやり尽くしたという思いを抱く公演でもあります。

 

そういった感慨を一方に持ちながら、我々が追い求めてきたドン・キホーテの狂気に寄り添っていきます。演出の神宮寺啓は、こう語ります。

 

「『ドン・キホーテ』の台詞に、「わしは狂人を演じるつもりだ……」と言う台詞があるが、ドン・キホーテの狂気には愚弄しているものが実は愚弄されていると言う逆転の意味、アイロニーの構造が潜んでいる。ドン・キホーテ自らが狂気を演じることで起きる事件を介して作家セルバンテスは、現代を生きる僕らに何を訴えているのかを自問自答してみたい。」これまでも幾度となく狂気? に対峙してきた神宮寺には、もしかしたらドン・キホーテが憑依しているのかも知れません。

 

一方、翻訳・脚本の田尻陽一は、

 

「これまで我々は、「『ドン・キホーテ』のストーリーではなく、作家セルバンテスのテーマを表現してきた。狂気性の集大成として、今回は「・・・狂気を演じ続けて・・・」をサブタイトルに加え、ドン・キホーテの“二重且つ三重なる狂気”に向き合っていきたい。このサブタイトルはクセック向きでしょう!?」

 

今回の公演は、単なる再演をなぞるのではなく、新たな出会いを求める『ドン・キホーテ』!!

 

舞台に立つ役者15人は、それぞれの思いを持ちつつ舞台に挑みます。 今回の公演は日時指定となっておりますので、お越しくださる日時をご連絡下さいますようにお願いいたします。

2025年2月 劇団クセックACT制作部

動く絵画

劇団クセックACT

舞台映像・写真集

劇団クセックACT 2024 『ドン・フアン ~セビーリャの色事師と石の客人~』
01:24:43

劇団クセックACT 2024 『ドン・フアン ~セビーリャの色事師と石の客人~』

【あらすじ】 神の審判を恐れず、道徳・権威をも顧みず、女性を征服することのみに命をかける一世の反逆児ドン・フアン。そのドン・フアンに魅せられ、誑かされるティスベア始め多くの美しい女性たち。不敬にもドン・フアンは自ら殺してしまった死者を嘲笑して食事に招待する。この前代未聞の晩餐でついに罰を受け……! 【上演意図】 劇団がスペイン黄金世紀演劇で注目し続けてきたティルソ・デ・モリーナの最高傑作をついに上演する。ドン・フアンが性に溺れることはない。多くの女性を抱え込むこともしない。ドン・フアンが言葉巧みに、時には友人を裏切ってでも女を手に入れることは、裏返してみれば、当時の権力やモラルに立ち向かうことでもあった。体制に逆らったドン・フアン像を現代に問いかける。 【作者と作品紹介】 ティルソ・デ・モリーナ(1579年〜1648年)スペイン黄金世紀演劇を代表する一人。1600年にはメルセド修道会に入ったが、戯曲にも手を染め、ロペ・デ・ベガ流の、しかし心理描写に長けた名作を300篇ほど遺している。戯曲として『不信心ゆえに地獄堕ち』『緑色のズボンをはいたドン・ヒル』などがある。『セビーリャの色事師と石の客人』は、モリエールの『ドン・ジュアン』、モーツァルトの『ドン・ジョバンニ』など、ドン・フアンものの最初の作品である。スペイン国内にあっては後世アントニオ・デ・サモラ(1676~1750)やホセ・ソリーリャ(1817~93)によって書き継がれたが,モリエール,モーツァルト,バイロン,バーナード・ショーらもドン・フアンを主人公に名作を残している。まさに世界演劇史において注目すべき作品である。 【キャスト】 榊原忠美 吉田憲司 平井智子 加藤由以子 清水絵里子 山田吉輝 永野昌也 大西おに   今枝千恵子 斉藤弥生 安部火隕 【スタッフ】 舞台監督: 鈴木寛史 照明:花植厚美 舞台写真:大脇 崇 宣伝美術:小島製作所 音響:田中 徹 衣装:まさきよしこ 記録:ミックスプロ 制作協力:武田仁美 制作:劇団クセックACT
KSEC ACT COMPANY Promotion Movie
02:59
エロイヒムの声 1987.11 七ツ寺共同スタジオ
01:20:15
劇団クセックACT「ドン・キホーテ …その狂気について…」 2017年 名古屋公演
01:40:19

劇団クセックACT「ドン・キホーテ …その狂気について…」 2017年 名古屋公演

クセックの作品の中でも人気の高い「ドン・キホーテ …その狂気について…」をお届けします。 戸板を積み重ねた舞台、宙づりの自転車など、大がかりな舞台装置も見所です。 ● 作品について 17世紀、「ドン・キホーテ」が出版されたとき、人々は主人公の荒唐無稽な行動に腹を抱えて笑いました。18世紀、啓蒙主義者たちは、主人公の虚しい冒険にスペインの凋落を現実として見て取りました。19世紀、理想を夢見るロマン主義者たちは挫折を繰り返す主人公に涙を流しました。20世紀は、まだ主人公の姿に個人を超えた永遠の真理への渇望を見出すことが出来ました。しかし、社会主義の崩壊により政治的な理想を失い、核の脅威により明るい未来を失った私たちは、無謀にも理想に立ち向かうことが狂気ではなく、現実社会に生きること自体が狂気になってしまったのです。では、21世紀を生きる私たちは一体、このドン・キホーテに何を見出せばいいのでしょうか。 2001年「第一回愛知県芸術劇場演劇フェスティバル」で初演。2005年「2005年愛知万博スペインパビリオン」の主催で再演。同年7月にはスペイン「アルマグロ国際古典演劇祭」招待公演。再演を望む声に「セルバンテス没後400周年」を記念して11年ぶりの再演をいたします。なお、今年から4年間を「セルバンテス没後400周年記念」と位置づけてセルバンテスの作品を順次舞台に載せていきます。 ● 作者について ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ Miguel de Cervantes Saavedra 1547年9月29日 - 1616年4月23日 ​ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ(1547年~1616年)は、小説「ドン・キホーテ」の著者としてしられているスペインの作家。スペイン語における世界的な文学者のひとりであり、同時代や後世の作家に多大な影響を与えました。例えば、ハイネやツルゲーネフ、ドストエフスキーなど数え上げればきりがありません。 劇団クセックACT『セルバンテス没後400周年記念』第一弾 三たび舞台に! 『ドン・キホーテ』は、クセックミラクル!! 『ドン・キホーテ(後編)出版400周年』は一昨年。『セルバンテス没後400周年』は昨年。ここ数年、セルバンテス=『ドン・キホーテ』が世界的な盛り上がりをみせています。聖書に次いで多く翻訳されている『ドン・キホーテ』は、スペイン国民の熱狂的な後押しを受け、400年にわたって全世界を駆け巡ってきたのです。 当時ベストセラーとなった『ドン・キホーテ』は、不遇な時代を送ってきたセルバンテスにとって、まさに起死回生の“代打逆転満塁ホームラン!!”でもあったようです。 クセックACTは『ドン・キホーテ…その狂気について』を2001年に初演。2005年には『愛知万博』のスペインパビリオン主催で再演。同じ年にスペインの『アルマグロ国際古典演劇祭』から招聘を受けて公演しました。 今年は『セルバンテス没後400周年記念』の第一弾として、多くの観客から再演希望がありました『ドン・キホーテ』を上演いたします。 構成・演出の神宮寺啓は「セルバンテスの短編を読むうちに『ドン・キホーテ』再演に火が点いた。今回の作品を基軸にし、来年はドン・キホーテの“死を通して”再度、真の狂気とは何かを表現してみようと思う。さらに、セルバンテスは書き進める中で、ドン・キホーテと一体化していった。だからドン・キホーテを描くことでセルバンテスの凄さ、人生観をも解き明かせると思っている。」と自信を覗かせます。 翻訳・構成の田尻陽一は「『人生は夢(カルデロン作)』と『ドン・キホーテ』は、劇団の原点でもある。初演の構成は完璧だと信じている。だからこそ、再演は願ってもないことだ。それに『ドン・キホーテ』は、読む本ではなく聞くための本でもある。つまり“朗読用小説”とでも言おうか、これこそ上演する意義でもある。」と語っています。 舞台に立つ役者は15人。特筆すべきは、創立メンバーの吉田憲司が、再びドン・キホーテ役に挑戦!することです。永野昌也がサンチョ・パンサ役で“こんなサンチョ見たことない”と言わせしめること間違い無し。火田詮子、平井智子、大西おにの“レディーストリオ”も存在感を増して、総勢15人のパワー全開の舞台です。 セルバンテス、ドン・キホーテ、サンチョ・パンサ。そしてロシナンテもドゥルシネアも、 スペインでは、みんな揃って星座に命名された・・・これ、ホントの話!!✰✰✰ 【キャスト】 榊原 忠美 吉田憲司 永澤 こうじ 永野 昌也 玉川 裕士 山田 吉輝 久保川 真守 衛藤 健史郎 火田 詮子 平井 智子 斉藤 弥生 大西 おに 高倉 麻耶 今枝 千恵子 柴田 真佑 【舞台監督】 鈴木 寬史 【音響】 田中 徹 【照明】 則武 鶴代 【衣装】 まさきよしこ いしぐろひろこ 【舞台写真】 和玖 瞬 【制作協力】 武田 仁美
劇団クセックACT「アッシリア皇帝と建築家」アラバール作  2006年 名古屋公演
01:46:25

劇団クセックACT「アッシリア皇帝と建築家」アラバール作 2006年 名古屋公演

スペインの劇作家フェルナンド・アラバール(1932~)が1960年代に書いた代表作です。現在はスペインで活躍していますが、デビュー当時はフランコ政権下、こういった作品を上演することはできませんでした。1967年にパリで初演されています。不条理劇の雄として名高いアラバールの作品には、悲劇と道化芝居、詩と憎悪、愛とエロチシズム、悪趣味と洗練された美意識、神聖と冒涜といったものが同居しています。 □作品について□ アラバールは最初、「建築家とアッシリア皇帝」をフランス語で書いた。1975年にスペイン語版が出たが、アラバール自身が書き直した1984年版を、今回の翻訳の底本とした。 舞台設定は絶海の孤島。ここに飛行機が墜落し、文明人と原始人の奇妙な共同生活が始まり、戯曲は生→死→生と永遠に繰り返す循環構造になっている。これが面白い。ただ、そこに出てくる母親の役がどうも薄い。アラバールの母親は共和派だった父親を密告し、フランコ派に手渡した人だ。このことを大きくなってから知ったアラバールは、母親と決別し、フランスに行き、演劇人として活躍し始めるのだが、母親に対する特別の思いが彼にはあるはずだ。なのに、この思いが『建築家とアッシリア皇帝』に登場する母親には薄くしか書き込まれていないと思ったのだ。 1999年、イスラエルのテルアビブで『愛の手紙』が初演された。スペインでの初演は2002年、出版は2004年。読んでみると面白い。母親のモノローグ劇だが、母と子の異常なまでの相愛と憎悪に溢れかえっている作品だ。 台本を作るに当たり、演出家と相談しながら、早速『建築家とアッシリア皇帝』のなかに『愛の手紙』の母親を組み込むことにした。生と死の循環構造はそのままに、絶海の孤島ではなく、日常生活でわれわれが他者を意識しながら繰り返している「ごっこ」をクセック流に舞台化することにした。われわれが真剣に演じている日常生活における不条理な笑いを楽しんでいただけたらと思う。循環だから、タイトルも『アッシリア皇帝と建築家』とした。ご了解を。 翻訳・脚色 田尻 陽一 □あらすじ□ ある日常の空間。そこへ皇帝と称する男が登場し、やがて共同生活を始める。建築家と呼ばれる男に、近代文明の洗礼と教育を施していく。 そのうち恋人、女、産婦、修道女、妻、弟、母親、母親の幼友達などが登場する芝居を、二人で演じていく。しかし、不服を唱える建築家は皇帝の前から姿を消す。寂しくなった皇帝は帰ってくるよう懇願する。 帰ってきた建築家と皇帝は再び芝居を始める。ところが実母殺しの裁判劇となり、次々に真実が暴かれ、最初は「ごっこ」だったものが、法廷の空気は次第に真剣みを帯びてくる。裁判の成り行きを恐れる二人。 そして遂に皇帝に死刑が言い渡される。
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